新年明けましておめでとうございます。
昨年は10月に名山レトロフト店が9年続けてきたレストラン営業を終了し、テイクアウト専門店へとリニューアルした大きな転換の年になりました。
とはいえ、ここ数年は事業を続けていく上で継続することと辞めることの仕分けを常にしていたように思います。
「美味しい野菜を作り、それをより多くの方に食べていただきたい」という思いの延長がレストランであり、弁当・惣菜事業でもありましたが、ここ数年はそっちが肥大化してしまって、直営農場で野菜を作っているという強みを生かし切れていなかったという反省があります。
コロナ禍では会社の中での強い部分と弱い部分とがくっきりと見えてしまう形になり、皮肉にも原点に立ち返るということに行き当たりました。
これから先は生産者であるという強みにしっかり焦点を当てて、より美味しくて質が良い農産物をたくさん供給していくこと、そして美味しい野菜を最大限生かしたお弁当や惣菜といった製造・加工に力を入れて、より一層喜んでいただける商品作りに努めていきます。
世界が今抱えている食糧やエネルギー資源、穀物相場の高騰などの問題によって、日本の農業を取り巻く環境は一気に悪化しています。多くを海外産に頼ってきた肥料や石油資材、畜産飼料などは国産材料への切り替えも迫られています。もともと化学肥料などが登場するより前、日本の中にある材料を肥料に使い、自然エネルギーを活用し、資源の循環によって作物を育ててきた有機農業が改めて見直されるきっかけともなっています。
こうした状況の中、私たちが果たしていくべき役割があります。
会長である父が40年以上続けてきた土づくり、野菜作りの集大成として、夏ごろから始める「畑の学校」によって一般の方々にこの有機農法をお伝えしていく予定です。有機農業が真に理解され、その伝達者、一緒に野菜作りをしてくれる作り手をどんどん輩出できるような学校になれば良いと思っています。
本年も進化し続けるそのやま農園、森のかぞくにどうぞご期待ください。
代表取締役 園山宗光